第31講 将来のお金の流れを改善できる表。





こんにちは。エクセル家計簿Web講座・講師の森本直人です。

いよいよ、本日より、完成編がはじまります。



完成編では、エクセル家計簿と連携が可能な家計管理シートの解説を行います。

家計管理シートは、具体的には、「将来資金計画表」、「家計バランスシート」、「必要保障額算定シート」、「住宅ローン返済計画表」の4つになります。

この完成編では、住宅ローン、保険見直し、資産運用などのプランを適切に設計するための基本をマスターすることができます。

基礎編・応用編に比べ、多少ややこしい部分もあるかもしれませんが、基礎編・応用編をクリアできた方であれば、必ず、マスターできる内容ですので、ご興味のある方は、ぜひ、チャレンジしてみて下さい。

なお、この講座は、予定よりも前倒しで実施しますので、応用編(第16講〜第30講)の次の第31講からスタートし、第45講までで終了します。



さて、本日は、第31講、「将来のお金の流れを改善できる表」です。

今回は、「家計管理の5点セット」の中から「将来資金計画表」というファイルを使います。

この「将来資金計画表」は、専門的には、「キャッシュフロー表」と呼ばれているものです。「キャッシュフロー表」では、何となく親しみにくい感じがしたので、私なりに考えたネーミングにしてしまいました。

FPという考え方は、もともと、米国からの「輸入もの」なので、カタカタ言葉が入ってしまうのですね…

もちろん、「キャッシュフロー表」の方がいい方は、タイトルを直していただいて結構です。




さて、具体的な作り方に入りますが、今回は、算式の入れ方をご説明します。

なお、この表は、一般的には「万円単位」で作成していきます。


[ シーン1 ]




上の図の収入計、C15セルには、=SUM(C9:C14)と入っています。


[ シーン2 ]




そして、支出計のC26セルには、=SUM(C16:C25)、
差引計のC27セルには、=C15−C26、
貯蓄残高のC31セルには、=500+C27(前年末残高が500万円という前提)
という算式が入っています。


ここまでは、基礎編と一緒ですので、まったく問題はないと思います。


[ シーン3 ]




ここからは、一定額の「普通預金」を確保しつつ、ある程度のリスクをとった運用もしていきたいと考える方に必要な説明です。

リスクをとった運用を、まったく考えていない方は、28から30までの行は、不要になります。

上の図の普通預金の欄(うす緑色)には、その時点で、いつでも出し入れ自由なお金として確保すべき金額を、考えながら手入力します。

資産運用の欄には、上の図のように、貯蓄残高(総額)と普通預金との差額を集計する算式を入れ、一定のリスクをとって運用できる資金を抽出します。

※上の算式の−C29は、右方向にコピーした時に必要になります。


[ シーン4 ]




上の図の2.5%というのは、あくまで仮定の利回りですが、仮に2.5%の利回りで運用できたら…という前提で、今回は作っています。

D29セルには、予定運用益として、上の図のように算式を入れます。

なお、上の図の算式の2.5%は、B28セルを絶対参照(※)で引用することもできます。

※絶対参照については、後日解説する予定です。


[ シーン5 ]




貯蓄残高のD31セルには、前年の貯蓄残高と当年の差引計と当年の予定運用益を合計するために、上の図のように算式を入れます。

そして、最後に各行の算式を、それぞれ右方向にコピーすれば、出来上がりです。



今回ご説明したように、「将来資金計画表」のひな形の作成は、「家計簿」と、それ程変わりはありませんので、難しくないのですが、実は、ここに入れる数字を作り込んでいく作業が難しいです。

なので、数字を埋めるのが難しい方は、ある程度まで、ご自身で、作り込んでいって、最後の詰めの部分は、お金の専門家(FP)と相談しながら数字を埋めてみるというのも、ひとつの方法かもしれません。






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